婚約破棄する側とされる側、どちらがどれくらい慰謝料を請求されるんでしょうか?
今日は、筆者であり専門家の久我山ゆにが、婚約破棄と慰謝料についてお話しします。
読んで、事情はそれぞれ……
具体的に聞きたい場合は遠慮なく、私に相談してください!
婚約破棄と婚約解消の違いって?慰謝料の有無は?
婚約破棄と婚約解消の違いは、一般的に、結婚をやめることにお互いが合意しているかどうかで使い分けられています。
そもそも、婚約自体が口約束に近いものがありますが、お互いに結婚の意思があって、周りからも婚約したと分かる行動がされている事で、婚約が成立している事になります。
周りからも分かる行動とは?
・お互いの親族に挨拶をしている
・会社や友人に婚約の報告をしている
・婚約指輪や結婚指輪を贈っている
・式場の予約や新婚旅行の予約をしている……など。
婚約が成立した2人が結婚を取りやめる時、お互いが合意の上で「結婚はナシにしよう」と決めるのが婚約解消。
合意の上での取りやめなので、もちろん慰謝料は発生しません。
それに対して、「やっぱり結婚できません。なかった事にして!」と一方的に結婚を取り消したいと申し出るのが婚約破棄。
一方的になかった事にするなんてヒドイように感じるかもしれませんが、相手が浮気していたり、借金を隠していたりと、正当な理由があれば破棄した側でも慰謝料を請求される事はありません。
逆に、破棄した側に「好きな人ができた」などの不当な理由があれば、破棄された側が慰謝料を請求できる可能性が出てきます。
正当な理由があっての婚約破棄は、「した側」でも慰謝料を請求されない!
婚約破棄をした側が慰謝料を支払わなくて良い「正当な理由」をいくつか挙げてみますね。
まずは、相手に不貞行為があった場合。結婚する前から浮気してるなんて、もう何も始まる気がしませんよね……。
そして、婚約者の生死が3年以上不明な場合。たとえ、どんなに親族に望まれていようが、本人が居ないと結婚できません。
悪意の遺棄がある場合。悪意の遺棄とは、生活費を渡さない、家事をしない、仕事をしないなど、夫婦としての務めを果たそうとしないことです。
それから、強度の精神病で回復の見込みがない場合。
最後に、婚姻を継続し難い重大な事由が発覚した場合も正当な理由として婚約破棄できます。
婚約を継続しがたい事由とは……?
・精神的・肉体的なDV
・性的不能の発覚
・性的な趣味の不一致
・重大な事実の隠蔽(借金や犯罪など)
不当な理由で婚約破棄!された側は慰謝料以外も請求できる
婚約破棄の不当な理由として慰謝料を請求できるのはどんな理由なのか、いくつか例を挙げてみます。
まず、1番に思い浮かぶのが、婚約者以外を好きになってしまったという理由。自分への気持ちをなくした人との結婚はコチラとしても無理ですが、婚約までしたタイミングでその理由は無責任すぎ!
その上を行くのが、浮気相手が存在してその人と一緒になるという理由。
結婚前に裏切られていた事に加え、婚約破棄してまで他の人を選ばれるという二重の侮辱行為。浮気相手が妊娠してしまったなどの事情があるのかもしれません。
他には、自分の親に結婚を反対されたという理由も。婚約する前になんとかならなかったのか? と言いたくなりますね……。
こんな身勝手な理由で婚約破棄されれば慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料は、婚約破棄の理由や、交際期間の長さ、結婚退社の有無など、さまざまな理由をもとに計算される事になります。
一般的には数十万~100万円が慰謝料の目安ですが、さまざまな条件が重なって300万円程度の高額な慰謝料が実際に認められたケースもあるようです。
精神的な苦しみに対するお金が慰謝料。された側は、慰謝料以外にも結婚準備の為にかかった費用を財産的損害として請求できるものもあります。
婚約破棄の前に一度話し合いを!慰謝料=長期化を覚悟
婚約破棄の理由が身勝手な理由なら、自分が慰謝料を支払う側になる可能性がありますが、「結婚が嫌になった」という理由をよくよく突きつめてみれば、相手のせいだったケースもあるようです。
慰謝料までは求めてないから早く別れたい、という場合など、婚約破棄を婚約解消にするという選択肢もあります。
慰謝料としてすぐに受け取れるならもらえる物はもらっておきたいトコロですが、精神的にギリギリな場合もあります。
裁判が長期化していつまでも苦しむより、早く新しい生活に気持ちを切り替えたい人もいるワケです。
婚約解消で合意できそうなら、示談書を作成しておけば安心ですよ。
示談書の主な内容は?
・婚約、婚約解消ともに合意の上であること
・誰が誰にお金を払うのか、金額や支払い時期
・指輪等の返還の有無や方法や時期
・当事者同士で取り決めたこと
筆者:久我山ゆに